医療業界ってどんなもの?【PART 1】では、医療機関を受診した際の自己負担金が、少なくて済むお話をしました。
国民がお金を出し合って支えている公的医療保険があるおかげで、費用の一部を負担するだけで医療行為が受けられる仕組みでしたね!
では、残りの医療業界の特徴(フリーアクセス・自由開業医制度・診療報酬制度)はどういったものになるのでしょうか。
さっそくご説明いたします!
フリーアクセス
『フリーアクセス』とは、その名の通り『自由に入場できる』という意味です。言い換えると、患者さんが自分の判断で自由に医療機関を選択できるという事になります。
みなさんは、これまで病気になった場合や怪我をした場合、近所のクリニックや、遠くても評判のいい病院に当たり前のようにかかっていたのではないでしょうか。
日本では、『国民皆保険制度』があり、『いつでもどこでも、誰でも同じ金額で医療が受けられる仕組み』になっています。
▼他の国ではどうなってるの?
日本以外の国では、医療費削減のために病院の数を減らし、人間ドッグ等の検査にも規制をかけている場合があります。
アメリカには日本のような公的な医療保険制度がなく、主に民間の保険会社が提供する医療保険プランに加入することが多いことで知られています。しかし、保険でカバーできる疾患や治療、受診できる医療機関がその保険の種類によって異なってくるため、日本のように誰しも平等に診療行為が受けられないという問題もあります。
全国どの医療機関でも受診できる民間医療保険もありますが、金額が高額なため(月額約20万以上)、多くは受診できる医療機関が限られているなどの、比較的安価な保険に加入する場合が多いようです。
仮にニューヨークで盲腸の手術をして一日入院した場合、日本円で240万円もの請求が来るんだとか。(2000年AIU調べ)
まさに驚き!
アメリカの医療制度は医療費を削減できるメリットもありますが、受診医療機関が制限され、保険が適用される疾患も少なくなることから、弱者に厳しい制度と言えるかもしれません。
自由開業医制度(じゆうかいぎょういせいど)
日本では、『医師免許』があれば日本国内どこにでも開業することができます。
多くは、ある期間まで病院で勤務し、実績・技術を磨き、その後独立して開業するケースが多いようです。
▼他の国ではどうなってるの?
実は、自由に開業できるところは少なく、アメリカでは『ファミリープラクティショナー』(内科や小児科などの幅広い診療を行う専門医)に開業の資格が与えられています。
またドイツでは、医師免許の他に『プライマリーケア』(個々の患者の抱える問題に対処でき、かつ継続的なパートナーシップを築き、家族及び地域の中で責任を持って診療にあたること)の資格を得て、初めて開業できる仕組みになっています。
診療報酬制度(しんりょうほうしゅうせいど)
診療報酬とは、『医療保険を使って行う診察や治療に対する対価』のことをいいます。
通常の診療行為や入院した場合の室料、看護料、薬代や医療材料(ガーゼやコットン)にいたるまで、あらゆるものについて『値段』が決められており、これらは全て国によって定められています。
それに基づきかかった医療費を、患者の一部負担金以外の残金を医療機関が基金に請求することを、『診療報酬制度』と言います。
診療報酬の算出方法は点数方式で、全ての診療行為に『点数』がつけられており、1点=10円で換算します。
例えば、診察で何らかの処置を受ければそれに点数が、薬をもらえばそれにも点数がつきます。全ての診療行為が全部で400点だった場合、金額に換算すると4000円の費用がかかったことになります。
『保険診療(保険適用)』であれば、3割を患者側が負担し支払いますが、残りの費用は、医療機関が『診療報酬明細書(レセプト)』と呼ばれる請求書に点数を記入し、各医療保険基金に請求します。その審査が通れば、残りの医療費が基金から入金される仕組みになっているのです。
←見辛くて申し訳ありませんが、『診療報酬明細書(レセプト)』の見本です☆
この診療報酬の点数は国によって決められていますが、医療費削減等の波を受けて、年度ごとに見直されています。
みなさんも、医療機関にかかったらもらった領収書を細かくチェックしてみましょう!
診療行為によって『点数』が実に様々なのがわかると思います!
▼医療機関の収入の流れ
診察を受ける
↓
どんな薬を処方し、どんな検査をして、全部でいくらかかったかを請求書であるレセプトに記載する(合計額を計算)
↓
患者さんから負担金(主には3割)を窓口にて徴収
↓
残りを患者さんが加入している保険基金へ請求する(レセプト提出)
↓
レセプトが正しいか審査され、適正と認められると、2ヶ月後に医療機関へ入金される
日本の医療の特徴、『国民皆保険・フリーアクセス・自由開業医制度・診療報酬制度』の4つをご紹介してきましたが、なんとなくおわかりいただけましたでしょうか。
次回は、アルフレッサのお得意様である、『病院』や『調剤薬局』についてお話したいと思います!